円高、株安、米欧の通貨安政策の影響で、相対的に円が買われて円高になっているのは、今や誰もが知るところでありますが、数か月前には「日本の財政は危機的状況で、国債の格下げもあり得る」などと脅されたりしており、そんなにも酷い状況であるならば、どうして円高になるのだ?と考えるべきなのですが、一般的な認識としては、日本の財政は危機的で、この円高を止めるために借金をする訳にはいかないといった感じなのです。

 確かに財政は危機的状況でありますし、無造作に赤字国債を発行していてはあっという間に破綻する日が来てしまうでしょうけれども、基本的には資金調達のための国債は国内で消化できているのですし、諸外国から赤字国債の発行についてとやかく言われる筋合いはないのです。政府はそれを堂々と発言し、今は円高を止めるためにあらゆることをしなければならないし、そのために国債を増発するのは仕方がない事だと公言すべきなのです。

 それを、世論を気にして国債は増発しないだとか、綺麗事ばかりを並べるものですから、投機筋の狙い撃ちにあうのですが、日銀は多少考えている様で、先日の30兆円の資金供給だとかはその良い例でしょう。ただ、問題はこのように実行前に顔色をうかがうかのように手の内を見せてしまう事です。どこの世界にオープンリーチに振り込んでくれる人がいるというのでしょうか。せめて週末の内に実行の旗を揚げておけば効果があったかとは思いますが、ここまで引き延ばしてしまうと、その効果はかなり限定されてしまう事になりそうです。

 ここから出しても多少の効果はあるかと思います。円も2円~3円位は安くなると思いますし、株価も数百円は上昇することでしょう。しかし、その後はかなり厳しい状態であるといえそうですし、時間が延びれば延びるほどにその効果は薄れていくこととなるかと思います。

 しかし、どうしてまたこんなにも政府や日銀の腰が重いのでしょうか?確かに政府は一つにまとまっていない感じが強いですし、日銀は日銀で重大な決断を迫られているので、下手に動いて失敗して責任を取らされるのは嫌だと考えているのかもしれませんが、状況はそんなに甘くはないはずなのです。

 皆が通貨安に頼っているので、協調で為替介入は難しいでしょう。しかし、介入するぞ!という意思を見せなければ、円は投機筋の餌食になってしまうのです。

 一つ気になるのは、個人投資家が大量にドル買いに動いている事です。いつもなら売らされるまで円高が進むということになりますが、最近は結構上手な方が多いようで、円高になればなるほど買ってきそうな感じもします。最悪の場合は高値更新の79円を割るまでは、政府も日銀もまともに動かないかもしれませんので、とにかくこの辺を見極めるのが難しいところですが、この個人の動向にも注目してみようかと考えております。

 正直言って、いろいろな事が絡みすぎており、予想がし難い状況であります。投資スタンスには相当余裕を持たせないと、この相場には太刀打ちできそうもありません。間違っても大勝負の場面ではありませんので、ここは焦らずに時を待つというのが一番大事な判断ではないでしょうか。

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