当然既に買ってしまっているギリシャ国債が紙くずになる訳ですから、既に何兆円分も持っているドイツは痛手となる訳で、それは出来ないという事で金融支援を決定したのでしょうけれども、これは問題の先送り以外の何物でもありません。こんな手のさしのべ方をしたところで、底なし沼に引きずり込まれるだけです。何せ今のギリシャは溢れかえっている公務員がゼネストを起こしており、もはや国として機能していないのです。こんな状態の国にいくらお金を支援したところで、どぶにお金を捨てるのと一緒です。
EC各国が、ドブにお金を捨てる決断をしたのですから、ユーロは売られて当然ですし、ギリシャだけの問題は正常な国にも飛び火するのは明らかなのです。そして、飛び火して直ぐに燃え上がる可能性が高いのがポルトガルであり、イタリアであり、スペインであるのです。ギリシャに対しては支援したのに、他は支援しないという訳には行かなくなりますし、これらが燃え上がるのも時間の問題としかいいようがありません。
そして、その炎が英国に燃え移った時に、第二次世界金融危機の到来という事になる可能性が高いかと思います。というよりも、世界金融危機は終わっておらず、あくまでも第二波到来というだけの話でありますので、この金融危機に対してどんな名前が付くかは分かりませんが、とにかく相当酷い事態に至る可能性が高いと見ておくべきでしょう。
もう一つだけ解決策があるとすれば、問題を先送りしている間に世界の景気が回復してくれればという事があるのですが、これはおそらく無理でしょうね・・・。確かに新興国の景気は旺盛かと思いますが、それを支えているのは先進国の金融緩和政策であり、それももはや限界は近いと見るべきです。
新興国の代表格である中国ですが、上海万博は不発に終わりそうな気配も見え始めておりますし、お金をばらまき過ぎたために、とにかく物価の上昇に歯止めがかからず、金融の引き締めを実行しない訳には行かない状況になってきているのです。にも関わらず、既に株価は年初来安値を更新している状態であり、この問題をどうやって片付けるつもりなのか・・・。ちょっと想像難しい状態であります。輸出を伸ばしたい米からの元切り上げ要求も根強く、見通しは決して明るくないとしかいいようがありません。
そして、これらの問題は日本にとっても人事ではないという事です。日本は国民の預貯金を無断借用し、それを公共事業に振り分けるという悪行を続けており、今尚預貯金に余裕があるためにそうした動きに歯止めがかかっていないという、とんでもない状況が続いているのです。後数年はこんな無茶な状態も続けられるかも知れませんが、そろそろ国民も危機感を抱き始めているのではないでしょうか。債務のGDP比はギリシャよりも酷い状態ですし、明日は我が身と心構えしておく必要があるのではないでしょうか。
そして、肝心の株価ですが、既にピークアウトはしていると見て良く、下手な押し目買いは命取りとなりかねません。世界にはマネーが溢れており、一方通行で下落という事はないかと思いますが、それが故に間違った行動をしてしまう可能性が高い相場になると思われます。
世界が目先の痛みを嫌う限り、問題は深刻化し続けるのです。癌を治すのに必要なのは、放射線治療であり、手術であり、生活習慣の改善でありなのですが、麻酔で痛みをごまかし続けていても治る訳がないのです。今の世界は、正にこの麻酔で痛みをごまかしている状態であり、治そうという勇気がないというか、政治家が国民にそれを説明出来ずにいる状態であるといえるでしょう。儲かるのはそうした事実を知り尽くしている一部の富裕層のみという事になってしまうのでしょうね・・・。
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