日本の財政危機は、半年以上も前から訴えてきたのですが、ここへ来て一般的にもその危機感が浸透し始め、メディアでもそうした記事を見かける機会が増えてきましたが、危機感を露わにする論調もあれば、問題ないとする論調もありで、結局その答えは見えていないというのが現実であります。

 ただ、比較的早い段階から危機感を訴えてきた私は、これらの論調を見てもやっぱり危機は危機であるとしかいいようがなく、特に国債の価格動向については慎重な分析が必要であると思いますし、世の中の雰囲気にも相当気を配らなくてはならないと考えております。

 とりあえず、いつも危機について書いておりますし、危機を訴える意見のほとんどは私と同じような考えでありますので、特別どうという事はないのですが、これだけの借金が積み上がっているのに問題はないとする危機否定論には反論せざるを得ません。

 危機を否定する意見の中心は、日本国債の購入の95%が国内でまかなわれており、誰も日本国債の購入者である銀行や生保に対して疑いを持っておらず、これからも国民は円を信じて生きていくというものです。また、借金の元本は返さなくても良く、利息の支払いさえ出来ていれば問題ないというのが国際標準の考えだという事ですが、ずいぶん乱暴ではないかと思うのは私だけでしょうか。

 確かに、現時点では国債価格は高止まりしており、世界で最も金利の安い通貨となっていますし、現状では危機否定論者の言うとおりかも知れませんが、国民の貯金が1400兆円もあるのだから、700兆円の借金は問題ない。後700兆円は借金できる!少なくとも300兆円は行ける!というのは流石に行き過ぎではないでしょうか?

 確かに日本人は自国通貨に対して絶大な信頼を寄せておりますが、問題は多くの国民が自身の貯金が国債の購入に充てられているという事実を知らないか、知っていても信じないか、現実とあまりに違い過ぎて理解できていないかというだけの話であり、本当に現実を理解したならば、そこにキャピタルフライト(他の通貨への逃避)が起こるのは明らかであります。

 また、危機感が芽生えず、キャピタルフライトが起こらなかったとすれば安心なのか?残念ながら答えはNOです。周りを見回せば分かる事かと思いますが、今、証券会社や銀行が販売に力を入れている商品は何ですか?ちょっと足を運んだ事のある人なら誰でも分かるかも知れませんが、それは外債や外債投信であったりで、日本の国債の販売ではありません。日本国債は腐るほど(すでに腐っているかも)持っているので、これを勧めるような事はせず、より魅力的な(リスクは別)外債を売るのが仕事になっているのです。

 今はまだリスクを意識して大きな流れになっておりませんが、外債で儲かったという話が出てくるのは時間の問題で、ゼロ金利の日本よりも新興国の外債でという流れが起こってもおかしくはないのです。儲かったという話を聞いて新興市場に巨額のマネーが流れ込み、その果てに起こった事は皆さんもご存じの事かと思いますが、自国通貨に対して絶大な信頼を寄せている日本人は、それと同時においしい話にも凄く弱いのです。 →ranking

 今はまだ小さな流れかも知れませんが、世界経済を支える新興国のバブルが続く限り、新興国との利回りの格差は広がる一方であり、多くの資金は外国へ流れていく事となるのです。バブルはもう終わるという事であるならば、その流れもなくなりますが、新興国のバブルが終われば、経済も崩壊しますので、どの道危機はなくならないのです。

 もし、それでも日本人は外国の通貨を信用せず、キャピタルフライトは起きないとしましょう。だったら問題はないのか?いや、残念な事ではあるのですが、日本の人口は減る一方であり、巨額の貯金をしている団塊世代の貯蓄は切り崩される一方なのです。年金財政は破綻状態でありますし、貯金の切り崩しを止める方法はないのです。

 そもそも、貯金などせず使ってくれれば経済も活性化するのですが、活性化のためにお金を使うと、国債価格が下落してしまうと言う危険なスパイラルが始まるのです。使った分以上に企業が利益を得て税収が上がるようにするためには、輸出で頑張るしかないのですが、すでに世界の工場ではなくなった日本で、しかも法人税率は先進国一高いのです。せめて政治が後押ししてくれれば、何か道も見えるかもしれませんが、全くサポートしてくれそうな気配はありません。

 さあ、これでも危機はないと言いますか?まあ、相場は確かにしっかりしておりますし、今すぐに暴落するといっている訳ではありません。ただ、危機は存在すると認識すべきであり、目をそらしてはいけないはずなのです。例え更に700兆円の借金をする事が出来るとしても、その先はどうするのでしょうか?借金をし続けなくては生活できないという事が大問題であるのです。そもそも借金が1400兆円になったとして、長期金利が1%だとしても年間14兆円の利払いが発生するのです。今年の税収は37兆円ほどでしたでしょうか。借金が膨らんでも税収が上がっていけば良いですけどね・・・。誰が何と言おうとも、現時点で危機感を捨て去る事は出来ません。

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