ただ、とにかく勢いのある中国で、相場の世界はこの勢いをどこまで評価すれば良いのでしょうか?これだけ巨額の財政出動が借金ベースではないとしても、多くの国民が無担保融資などを使った乱暴な消費を続けている状態なのです。今の中国で起こっている事は、一昨年まで米国で起こっていたサブプライム問題と何が違うというのでしょうか?
確かにまだまだ発展の余地はあるとしても、そもそもここまで中国が発展して来れたのは、安い労働力を武器に世界の工場として注目されたからなのです。メインだった輸出が止まっている状態で、どうして発展が続くというのでしょうか。内需に切り替われば良いかもしれませんが、事はそれ程単純な訳がないのです。
問題はこの状態を相場がどう判断するかです。中国はバブルなので、これ以上株を買うのは危険だと判断するか、某外資系証券の有名アナリストの様に、中国の経済に乗れ!ここが大相場の始まりだ!とするのか。本当に難しい所であるとは思います。
メディアは借金をベースに財政出動をしている事には余り触れず、景気が持ち直している様な事ばかりを書きますので、イケイケムードに発展してもおかしくはないのです。私自身も中国がこのまま来年も巨額の財政出動を続けるというのであれば、もしかしたら相場は上かもしれないと思ったりもするのですが、とにかく問題なのは頑張っているのは中国だけという事です。
例えばギリシャ問題ですが、CDSの規制がどうとかいう話も出てきている様ですが、そもそもの体質が問題であるのですし、何を議論しようとも借金が減る事はないのです。景気がこれ以上悪くならなければ、借金がこれ以上増えず、景気が持ち直せば借金も減るかもしれないという程度の話です。ユーロも株価も落ち着いてはいますが、何時IMFの世話になるという話が出てきてもおかしくないですし、ギリシャが解決したとしても他にも財政規律が乱れている国はユーロ圏に多数存在するので、これらがいつ火を噴いてもおかしくないという事も理解しておく必要があるでしょう。
また、これとは反対の話ですが、日米間の核密約問題も微妙な話があります。日米同盟を考えれば、こんな物は政治的に裏で解決しておけば良い話であり、今この時にほじくり返す問題ではないはずです。これで尚一層沖縄問題は混迷を深める事でしょう。目をつぶるべきところは目をつぶり、国益に反する事はすべきではないのです。こんな物は見ないようにしておき、いずれ問題が大きくならないタイミングを見計らって解決していけば良いことのはずなのです。
経済は見なくてはならないところに目をつぶり、政治は見なくても良いところを見たりで、本当にバランスが悪くてイライラするのですが、とにかくこの流れが何処に向かっているのかだけは把握していかなくてはならないでしょう。全てに目をつぶり、上に向かうというのであれば、それに対応する行動をするまでで、とにかく変化をどれ程感じ取れるかが大きなポイントでしょう。
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