昨日は下落すると思われても下落しませんでしたし、何か変わったのかと思ったりもするのですが、変わったというよりは失望の裏返しといったところでしょうか?
と言いますのは、状況的には日本株が上昇する理由が殆ど無いのです。
故に空売りが大量に入ってしまい、相場が下がろうとすると買戻しが入るために下がらない。
ならば、下に行かないなら上にと言う事で買いが入ると、売り方が焦って買い戻して相場が上昇する。
単にこうした「物理的作用による上昇」であり、期待が持てる状態になった訳ではないと思います。
まあ、先読みをしますと、このままでは日本経済は大変な事になります。
何度も言うように、一番の原因は増税で、これはどう考えても景気を悪くするのです。
世界経済が相当危なくなっている中で、どうしてこんなことが出来るのか?
正直な話、2%の消費税増税は気分的に面白くないだけで、実質的な影響はそれほど大きくはないはずなのです。
しかし、これで税率が10%になる訳ですし、気分的な部分が2%以上に重みを持ってしまうのです。
そして、一番よろしくないのは、この場面で増税するという「姿勢」です。
米や豪が減税で税収を増やしている中で、どうして増税と判断するのか?
本当に馬鹿らしくなります。
テレビではどうやったら軽減税率を利用して2%分を得するのか?というものが目立ちますが、問題はそこではないのです。
心理的に消費を絞るし、企業はそれに伴って売り上げを落とします。
そして、その売り上げをカバーするために値引き競争が起こるのは確実で、10月以降は間違いなくデフレ経済の本格的復活です。
特に来年3月には決算セールと銘打って、多くのところで値引き競争が起こるでしょう。
本当に不味い事が起こると思っています。
国内だけでもこんなに問題を抱えているのに、海外は米中戦争の真っ只中です。
香港は逃亡犯条例の撤回で一服と見ている専門家もいますが、これで落ち着くと思ったら大間違いでしょう。
香港人は、自由を求めているのであり、自由を手にするまでは徹底的に戦うはずです。
おそらく、このまま大人しくしてしまうと、メディアが扱わなくなるので、監視の目が緩くなります。
そうなると、中国政府にとっての危険人物は陰でどんどん消されていくでしょう。
所謂粛清ですが、おそらく活動家の多くはそれを理解しているはずですし、だからこそこの条例案撤回だけで静かになる事はないと思っています。
そもそも政府に対する要求は五つあるのですが、通ったのはその内の一つに過ぎないのですからね。
少なくとも民主主義的な選挙の実現が約束されない限りは、こうしたデモ活動は続くと思って良いのではないでしょうか。
そう考えますと、この条例撤回を好感して買われた米国株の根拠はなくなるのです。
もちろん米国株の上昇の背景にはブレグジットが延期されたという事も含まれてはいます。
しかし、香港の問題は全く解決していないのですから、この分の上昇は遠くない内に剥げ落ちてしまうでしょう。
まあ、日本株は踏み上げで上昇しているので、実際のところは材料も何もないと思っても良いのですけどね。
という事は、この上昇で慌てて買いに行く必要はないという事になるのです。

ただ、相場というものは調子に乗って行くことはありますので、その場合に利益が得られるものは残しておきたいです。
確実性の低いものは手仕舞いして行けば良いと思っていますが、確実性が高いものは残していく。
これで対応は可能だと思っているところですが、銘柄の選別は重要です。
さて、225の上げ幅は300円を超えてきましたし、久しぶりに21000円が見えてきました。
踏み上げ相場がどこまで続くのかは分かりませんが、とにかく割安なところまで売られておりましたからね。
とは言え、何故に割安なところまで売られていたかと言えば、夢も希望もないからです。
相場には夢と希望が必要ですが、これが無いから割安になってしまっているのです。
この上昇が夢と希望の産物であるならば、株は大至急買わねばならないと思うのです。
しかし、現実には夢と希望がないが故の空売りで、それがちょっとした材料で踏まされているという悲惨な相場なのです。
そして、そういう相場は長続きしないものです。
余程の好材料でも出てくれれば良いのですけどね・・・。
ここでの好材料というのは、当局が追い詰められての方針転換です。
例えば、ドイツ銀行がヤバくなってきておりますが、潰す訳には行かないのでドイツは保護に動くでしょう。
それが経済対策となり、好材料となる。
日本もまた地銀が危ないですし、メガバンクも日々業績が悪くなって行っているはずです。
悪いが故に政治の方針転換が期待できる。
今の相場で出来る期待はそんな程度なのですけどね。
それでもまあ、少しは望みも持って行きたいと思っているところです。
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