多くの場合、新規上場がありますと、それを買うのはほとんどが既存の株を売却してという事になり、あまり市場外から新しい資金が入ってくることはありません。
今回の場合は、TVCMでも連日宣伝を打っておりますし、ある程度は市場外からの資金もあるでしょうし、普段のIPO銘柄に比べれば、新たな資金も入ってくる可能性はあろうかと思っているところではあります。
ただ、投資家の話を聞いておりますと、証券会社からの電話営業がどんどんかかってきている様で、状況から考えますと、売れ行きが厳しいのではないか?と、推測しているところです。
そもそもソフトバンクの事を考えますと、国内で携帯電話は既に行き渡っている状態でありますので、基本的には他社から顧客を奪う以外に業績を伸ばす手段がありません。
また、政府から携帯電話の料金が高過ぎると指摘されておりますし、値下げ圧力も強いと言えます。
この状況で同社が業績を伸ばせるのかどうかに対しては、懐疑的にならざるを得ません。
携帯電話業界を考えてみますと、確かに諸外国に比べて日本は通信料金は高いと思います。
通話品質であるとか、データ通信の速度などを考えますと、高品位ですので、それはまあ他国よりも高くても仕方がないと思う部分はあります。
しかし、これ以上ハイスペックにする意味は、既に無くなっているとも思うのです。
実際に、現時点での性能で動画などが高画質で楽しめますし、ゲームにしてもハイスペックなゲームが快適に遊べます。
また、iPhoneの販売状況を見ますと、ハイスペック機種であるiPhoneXの売れ行きは悪く、前世代のiPhone8の方が、今でも売れ行きが良いそうです。
要するに、スマホの性能は既に行き過ぎたか、時代を先取りし過ぎた訳です。
という事は、これ以上通信環境をハイスペック化させる必要は無いという事であり、当然設備投資は絞ることが出来る訳です。
まあ、どんどんハイスペック化して行く方が、経済的には良いとも言えるのですが、それが我々の通信費にそのまま乗ってくることを考えれば、既に望む以上のものを提供されている状態なのですし、値下げに動いてもらった方が良いと思うところです。
まあ、値下げという事はデフレという事であり、経済にとってはマイナスな話であるのですが、携帯料金が安くなったから、その分を貯金・・・という話にはならないと思いますし、悪影響はないでしょう。
完全な自由競争のもと、独力で儲けている民間企業ならいくら儲けても構わないと思うのですが、携帯会社は3社の寡占状態である上に、公共財である電波を独占的に使用する立場ですので、儲け過ぎてはいけないでしょう。
さらに言うならば、携帯電話は既に社会インフラの一つであり、電力、水道、ガスのように公共性の強い事業です。
特にドコモはあちこちに巨大なビルがありますが、これらは概ね我々の携帯代から建てられているのです。
それ程のビルを建てる余力があるならば、携帯電話の料金を安くしろ!と、これは当然の流れでしょう。
本来政府が携帯電話の料金に注文を付けるのはおかしいのですが、ここまで来れば仕方が無いだろうとも思うところですし、先々はちょっと暗そうだと思うところです。
ですから、いくら電話営業を受けようとも、ソフトバンク株は買うべきではないでしょう。
もはや、2006年に孫正義がボーダフォンを買った時代とは違うのです。

こんなに夢のない業界よりも、夢ある業界がありますし、夢ある銘柄があるのです。
投資するからには、やはり夢ある銘柄を買うべきでありましょう。
例えば、業績がどんどん良くなっていて、更に良くなりそうで、株価は何倍にも育つ可能性がある。
そんな銘柄を買いたいものです。
ソフトバンクが仮に上昇したとしても、まず倍にはならないでしょう。
下手をすれば寄り付いたところが高値かも知れません。
皆さまが良い選択を出来るように祈っております。
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