米長期国債が値下がりし、金利が上昇して3.2%台まで進んできましたね。

これは見ての通りの事であるのですが、国債を高いところで買っていたところはそれなりに大変なのです。

金利が上昇するという事は、預金者にとっては嬉しい事であると言えますが、国債を買っているところからすれば、値下がりしているのですから、それは損でしかないのです。

まあ、償還まで待てば損はないのですが、10年も寝かせてられるか!というのが金融業界の常識ですからね。

また、現時点での価値で決算も出さなくてはならないのですから、国債の値下がりによる損失は何かで埋め合わせなくてはならないので、その対象となるのが株という事になる訳です。

ですから、金利が上昇すれば、当然その金利を求めて債券も買われる訳ですが、株は売られるという事になるのです。

ただ、実はここも単純ではないのです。

債券が買われれば、当然債券は値上がりするのです。

ですから、本来は株が売られて債券が買われ・・・となる訳で、金利は下がるはずなのです。

しかし、そうはならない・・・。

これには様々な要因があると言えますが、金利を求めてドルを買う動きもある訳で、同時にドル高にもなる事が多いのですが、ドルは買ったが直ぐに債券を買うのもな・・・。

という思惑も出ます。

そうした資金は、とりあえず売られている株に向かう事が多いので、いずれ債券に向かうとしても、とりあえずは株という事になるのです。

まあ、とにかく複雑に思惑が入り乱れておりますので、あまり深く考えても仕方がないとは思うのですが、こうした動きを総合してどこに向かっているかを考えて行く必要はあります。

足元の動きは本当に難しいと言えますが、少し先を見れば、株が、為替が、そして債券がどこに向かおうとしているのかは、読み易いと言えます。

まあ、簡単ではありませんが、とにかく少し先を見て、どこに向かおうとしているのかを予測するのは非常に重要であると思っているところです。

ところで、中国が米の攻撃によって窮地に立たされているのですが、推定2兆ドルとも言われる中国の保有する米国債が、売りに出されるという噂と言いますか、観測と言いますか、まあそのような話があるという事はご存知の方も多いかとは思います。

この話だけを聞くと、中国が米国債を売ったら米国債は急落して大変な事になる!と、扇動されてしまっている方も多いのかな?と思ったりしておりますが、この予想をしているとしたら全くのナンセンスであると思っているところです。

今、中国は米国から「為替操作国だ!人民元を不当に安くしようとしている!」と口撃も受けている訳ですが、中国当局としては「何言ってやがる!こっちは人民元の暴落を防ぐのに精いっぱいなんだよ!」の状態です。

中国当局は、人民元の流出を強く警戒しており、多くの人民も、外国企業も人民元を売ることが出来ません。

この流れで行きますと、中国政府が保有しているドルを売って、人民元を買い戻す動きは妥当と言えますが、それでは読みが浅すぎます。




ここで知って欲しいのは、通貨の価値というものは、その発行体の信用度の問題なのです。

人民元がかろうじて価値を保っているのは、米国債を大量の保有しているからであり、これを手放してしまえば、当然人民元は暴落でしょう。

ドルを持っていない中国の何を世界が信用するというのでしょうか?

また、例え売りに出したとしても、ドル需要は旺盛であり、2兆ドル程度ならば一気に売られれば目先はショックもあるかも知れませんが、結局は消化されてしまうでしょう。

噂だけを聞くと、何となく怖く感じてしまいますが、実は全く恐れるに足らずの話なのです。

売れるものなら売ってみろの話であり、何ら問題視する必要のない話なのです。

中国当局が揺さぶりをかけるために言ったことだとすれば、浅はかすぎるし、習近平の周りには頭の切れる奴は居ないのだな・・・となりますし、そこらの経済学者とか、ジャーナリストが言ったのだとすれば、相場は知らないんだな・・・であります。

起こり得る事は想定して対処できるように心構えをしておかなくてはなりませんし、神経も使って行かなくてはなりませんが、想定する必要のないことに割く脳細胞は要らないという事です。
さて、10時になりましたが、225は23500円を割るところまで来ましたね。

何やら一部の証券会社で注文が入らないトラブルが出ているなんて話を聞きましたが、全体的には影響なしですかね・・・。

ある意味ではミサイルが飛んでくるより怖いのがサイバートラブルですから、ちょっと気になっているところではあるのですが、とりあえずは問題ないですかね・・・。

最後にランキングのチェックを ⇒ 

無料メルマガでは限定記事を随時配信しています。

登録後すぐに送られてくる記事は「地獄の3丁目で見つけた答え」です。

よろしければ、登録してみてください。

読者数2万人以上のS氏の相場観の無料メルマガです。