ただ、米国株高の理由は「鉄鋼関税が実行不能ではないか」との希望的観測に基づくものであり、どうなるのか分からない状況に変わりはありません。
トランプ大統領がこれで引き下がるとは思えませんし、波乱の芽は全く摘まれていないとの認識が正解だと思います。
米の景気は良いと言われておりますが、ここまでしなくてはならない程に脆弱であり、安心できるような状態ではないという事が、トランプ大統領の行動から読み取れるのですが、本当にこれからどうなって行くのかは非常に読み難い状況だと言えます。
とにかく怖いのは、米利上げの影響です。
本来利上げを相場が織り込んで、経済さえ良ければ株はまた高くなるのですが、債券高が何年も続いたために、世界中でばら撒かれたマネーの多くが債券に流れ込んでおり、これが値下がりによって傷んでしまっているのです。
今は日本の決算期であり、この損失を補てんするために債権を売って、利益の出ている株を売って・・・という作業が行われており、これが円高や株安の原因の一つとなっているのですが、傷んでいるのは日本の機関投資家ばかりではありません。
米のヘッジファンドにしても、やはりこの債券安で相当傷んでいるところが出てきているのは確かです。
ここのところ異常なまでに空売り比率が高くなっているのは、こうした傷みがもたらす悲劇を先取りした動きとも取れますし、とても安心できるような状況ではないという事になるでしょう。
ただ、確実に悲劇が起こるかとなれば、そうではありません。
あくまでも可能性の一つでしかなく、確実にそうなるという事に基づいた行動は逆に危険だとも思うところです。
こうした空売りの多さは、これもまた恐らくヘッジファンドによる仕掛けだと思うのですが、ヘッジファンドの戦略が毎回毎回成功する訳ではないのです。
実際にこの債券安で痛手を被っておりますし、失敗なんてしょっちゅうあると考えて良いのです。
ですから、必ずしも下げる訳ではないと思っているところですが、備えだけはしておくに越したことはないのです。
よって、現時点での投資戦略としては「控えめにして現金比率を高めておくように」としており、今日の様な場面では「様子を伺って銘柄整理に努めるように」としているところです。
投資というものは、四六時中全力投球ではまず勝てないのです。
ここぞという場面で動けるかどうか。
簡単なようで実際は意外と難しい、これこそが実は勝利の秘訣であり、これが出来ないのが日本の個人投資家であるのです。
「ほぼ確実に勝てる!」
そう思える勝負所の場面で、勇気をもって勝負に行ける投資家こそが、本物の勝利を手にできるのです。

現金を持つと、どれを買おうかと悩み、あれやこれやと探してくだらない株を買ってしまう。
これが最も危険な行為であるのです。
今日はメンバー向けの戦略の一部を公開しましたが、日々こうしてレポートしておりますので、どうしてもくだらない銘柄に手を出してしまうとか、投資機会が読み切れないという方は、是非ともメンバーレポートをご利用いただければと思っているところです。
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