先日、ECBが50兆円ほどの資金を欧州の銀行にばらまいたのですが、この件についてのご質問が多数寄せられ、その中に「これだけの資金をばらまけば、ユーロ圏の国債は買われるのではないか?」と言うものがありました。

ニュースを見ていると、銀行に資金を貸し出したが、銀行はイタリアやスペインなどの国債を買わないのではないか?と言う疑念が湧き、株式市場は下落と言うものがありましたし、実際にそうした国々の国債は買われていないのです。

さて、どうしてお金があるのに国債が買われないのでしょうか?答えは簡単で、単に国債が怖くて買えないのです。何故に怖いのか?今まではそんな事はなかったのですが、今はとても怖いのです。

もちろんご存じの方も多いことかと思いますが、多くの機関投資家は、デフォルトの危機をヘッジするために、CDSと言う保険商品を国債と合わせて購入していたのです。万が一デフォルトになっても、CDSがあれば安心だと言う事で、安心して国債を買ってきたのです。

ところが、このCDSと言うものは、実は国単位の大きなデフォルトは起こらないと言う事を前提に作られているような保険商品であり、実際にデフォルトが起こればひとたまりも無いのです。その証拠として、リーマンショックの時に、リーマンのCDSを販売していたAIG生命は一夜にしてデフォルトとなったのです。国単位どころか、投資銀行のデフォルトにも対応出来ない程度のものなのです。

この時は、米政府があっという間に資金の供給を決め、支払い不能となったCDSの支払いを肩代わりし、CDSは保証された訳です。ここで面白いのは、そこで大儲けをしたのは他ならぬゴールドマンサックスでありますが、リーマン破綻の原因を作ったのもゴールドマンでありますので、完全にマッチポンプ状態であるのです。ある意味では「流石アメリカ!」と言った感じですが、CDSが守られたからこそ、世界は大混乱に至らずに済んでいたわけです。

ところが、今回のギリシャに絡んだCDSですが、これは自主的ヘアカットをすると言う方向に持っていかされた為、実質CDSが機能しない状態にさせられてしまったのです。これ以降CDSは発売されなくなり、イタリアやスペインなどのデフォルトが噂されるような国の国債は買えなくなったのです。ですから、幾らお金をつぎ込もうとも、銀行はデフォルトの危機を回避出来ない国債など買えるわけがないのです。

ただ、確かにどこかで運用はしなくてはなりませんし、その対象として米ドルや日本円になってしまっているわけです。どう考えても米はデフォルトしないでしょうし、日本もデフォルトはしないでしょう。いくら借金がと言っても、国民の貯蓄が担保になっているのですから、当面は心配するような状況ではないのです。

と言うわけで、ECBが執るべき道と言うのは、実は自身が国債を買うことだけなのです。責任を逃れるために銀行に資金を供給し、と言うのが今回の行動ですが、CDSを奪われた銀行は国債を買わないのです。ドイツが反対しているため、今のところ自身で買うつもりは無い様ですが、これでは問題が解決しないのは火を見るよりも明らかであります。

さて、来年2月はイタリアの国債が大量に償還を迎えるわけですが、その前に何らかの決断は出来るのでしょうか?やるべき事と、やれる事は一つしか無く、これをやらなければ崩壊に向けてしか進みません。まあ、いつも民意を気にして後手後手ですから、もう少し危機的状況にならないと動けないのかも知れませんけどね・・・。

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