原油や鉄鉱石などの原材料の値上がりが著しく、今までは輸入と消費のタイミングの差であまりその値上がりを感じる事はなかったのですが、ここへ来て消費活動へ直結するガソリン価格が目に見える形で上昇してきており、一般庶民の生活を圧迫し始めております。

 記憶は定かではないのですが、一昨年の原油高の局面ではレギュラーガソリンが1L180円位まで上昇したかと思うのですが、直近でも140円近くに上昇しておりますし、新興国の経済が好調なため、当面その価格は上昇を続ける可能性が高いと言えると思うのですが、リーマンショック前の好景気の状態でも相当苦しかった原油価格の上昇が、今の経済状況下で同じような上昇となった時に耐えられるのか?という懸念があります。

 確かに車はハイブリッド車が増えましたので、幾分かはガソリンの値上がりにも耐えられるかとは思いますが、まだまだ大多数はガソリン車であり、特に輸送を支えるトラックなどはほとんどが軽油を使用しているのです。ハイブリッドのトラックはほとんどありませんから、原油高は直撃という事になるでしょう。 →ranking

 また、目に見え易い原油だけが値上がりしている訳ではなく、他の資源も値上がりが続いているのです。果たしてこの資源高をどこまで製品価格に転嫁出来るのでしょうか?輸入物価の上昇に伴い、デフレ脱却の道が見えたかのような話もあるのですが、そもそも雇用が安定し、収入が増えない限りは物価が上昇したところで何の意味もないのです。このままでは一般庶民の生活は苦しくなる一方で、例え物価が上昇してもデフレ脱却という事にはならないといえるでしょう。

 そして、この原材料の上昇の原因ですが、新興国の経済状態が良好であるのも確かな事実ではあるのですが、先進国でばらまかれたマネーが流入し、原材料の価格を押し上げているのも事実です。そして、当面はこの流れに変化はなく、原材料の値上がりは続くと見て良いでしょう。

 結果として新興国の購買力が上がり、先進国はそこへ対する輸出で利益を出しているのですが、利益が上がれば上がるほどに利上げの圧力が増してくるのです。新興国の多くは、既にインフレの状態にあり、何度か利上げを実行している国もあるのですが、資金の供給側である先進国の方は利上げを実行出来るような状況ではなく、金利差の拡大が尚いっそう新興国にマネーを運び入れる事となっており、当然これも資源高を作り出す要因となっております。

 このまま新興国が主導する景気回復が軌道に乗れば、これは本当に喜ばしい事かとは思うのですが、先進国もいつまでもマネーをばらまいている訳には行かず、いずれ回収にかからなくてはなりません。当面は利払いだけでもOKという考え方もありますが、特に日米英の財政出動は巨額になっており、金利の状況によっては利払いすらも怪しくなりそうな気配であります。

 また、英米は貯蓄がそれほど多くはなく、今のペースでの財政出動では、それほど長い期間はもたないと見るのが妥当でしょう。米ではFF金利が上限いっぱいまで上昇してきており、金利上昇が現実のものとなりそうな気配も見えるのですが、ここで金利が上がれば株価は下がって当然ですし、株価の値位置を考えるならば、これは相当厳しい下げにつながってもおかしくはありません。

 今は悪い事は考えない相場が続いておりますので、原材料高は気にしていない様な雰囲気ですが、そろそろ多くの人が原材料高を気にするような雰囲気になってきてもおかしくはありません。株価の転換点になる可能性もありますので、特に目に見え易い原油価格の動向には注意が必要であると思います。

最後にランキングのチェックを ⇒ 

無料メルマガでは限定記事を随時配信しています。

登録後すぐに送られてくる記事は「地獄の3丁目で見つけた答え」です。

よろしければ、登録してみてください。

読者数2万人以上のS氏の相場観の無料メルマガです。