米はオバマ大統領が発表した輸出倍増計画に合わせるように、元の切り上げを中国に対して強く要請してきました。輸出を倍増させるには今のレートは不利であり、元の切り上げは不可欠との判断なのだとは思いますが、元の切り上げは本当に米の経済に貢献するのでしょうか?

 今、米国債の最大の保有国は日本を抜いて中国が一位になっている事は多くの人が知っている事かと思いますが、中国だって米国債を買いたくて買っている訳ではなく、元のレートを管理固定する為には元を売ってドルを買うしかないのです。この動きを止めれば元はあっという間に高くなってしまうので、止めるに止められないというジレンマがあり、米は米で経済危機を乗り切る為に必要な資金を確保するために、多量の国債を発行し続けておりますので、例えどんな理由があったとしても米国債を買ってくれる重要な資金元は失いたくないはずなのです。

 こうして今まではバランスが取れてきていた訳ですが、米は輸出倍増計画が持ち上がった為に中国に対して強い切り上げ要請をする事になったと思うのですが、切り上げる=ドルは買わないという事になり、米国債の暴落の引き金になる可能性もあると見るべきではないでしょうか。

 利害関係を考えると、どうも不自然な話なのですが、米の真意は何処にあるのでしょうか?元が切り上げとなれば、当然中国の経済もある程度の打撃を受けますし、経済が打撃を受けるという事は購買力も低下する訳ですから、米だって輸出はままならないという事にもなるでしょう。どの角度から見ても米の真意はなかなか見えて来ないのですが、一つだけ可能性があるとすれば選挙前のパフォーマンスでしょうか。

 中国は日本と違って切り上げを要請したところで「分かりました」と返事をする国でありませんし、例え喧嘩している様に見えても、裏では手を結んでいる事もあります。先日の米中対決で中国が米国債を売ったという事がありましたが、結局は裏で買い戻して、売ったという事実自体をもみ消した様に思いますし、とにかくその裏は複雑としか言い様がありませんので、かなり憶測が混じる部分ではあります。

 ただ、もしもこの切り上げ要請に中国が乗ったとしましょう。当然中国の経済は、少なくとも目先は落ち込みますし、すっかり中国頼みの日本もダメージが避けられません。元は今より高くて当たり前であるという考えは正しいと思いますが、実際にそうなる事はどの国にとってもあまり喜ばしい事ではなさそうです。

 希望としては、時間をかけて適正相場のところまでゆっくりと元が切り上がって行く事なのですが、相場の世界はそんなに都合良くは動いてくれない可能性が高いといえるでしょう。単に米のパフォーマンスであれば問題はないのですが、何せ言ってる事は間違いではなく、確かに元は管理されている状態で、実際の相場よりも高い状態なのです。この行く末は非常に気になるところなので、今後もしっかりと観察して行かなくてはならないでしょう。

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