国内の銀行による日本国債の保有が過去最高を更新し、1月末の残高は126兆4千億円、2008年秋の金融危機から1年余りで1.5倍にも膨れ上がりました。この状況については3月14日の日経新聞一面に詳しい解説が出ているので、詳細についてはそちらを参照してください。

 銀行が国債の保有を強めたのは、企業の資金需要の低迷という事があるのですが、大手企業に関しては設備投資は控えておりますので、確かにその通りだとは思います。ただ、多くの中小企業は目先を生き残る為のお金は欲しい訳で、そうした資金の需要は旺盛だといえるでしょう。だからこそその資金需要に応えるために、中小企業支援法案などがあるのです。基本的に銀行は資金繰りのための融資はせず、これは資金需要とは呼ばないのかもしれませんが、どの道銀行は本来の業務である融資による利益を得る努力はしていないという事になるでしょう。

 確かに貸しても返って来ないお金は貸さない方が良い訳であり、景気が悪くなれば悪くなるほどに比較的安全な国債に資金が流れるのも仕方のない事かも知れませんが、その残高は異常としか言い様がありません。

 今、大量の国債が発行され、それでも金利がこれほどに安く抑えられているのは、不景気が融資を抑制しているからともいえるでしょう。そもそも国民がお金持ちで、貯金は絶対に安心だと思っている人が多過ぎるから出来る事でもあるのですが、本当に異常な状態であるといえるのではないでしょうか。

 1946年の事ですが、戦争が終った後という状態であったという特別な状態ではありましたが、日本は預金封鎖と通貨切り替えで、実質デフォルトになったのです。それは、僅か64年前の出来事であり、その時に現役世代で稼いでいた人は残り少なくなっているかとは思いますが、その時の国債は紙切れになった事を体験した人も居るのです。

 今、借金が物凄い勢いで増えており、税収は急激に落ち込んでいるのです。今年よりは来年の方が少しは持ち直すかもしれませんが、今のままでは劇的に増える事は考え難く、国は企業から取る事を諦め、国民から直接取る方向へ動いて行くしか道はありません。

 この様な状態で、しかも少子高齢化は進み続けているのです。もはや待ったは効かない状態になっているのですが、株価だけは何とかなりそうな雰囲気であったりもします。しかし、今のままでは何ともなりやしないですし、何とかすべき事を考え出すべき政府はこの有様です。もっと大胆かつ有効な政策を出してもらわないと、銀行だってこれ以上国債残高は増やせないはずですし、売るとなってもその反動は大きくなるばかりです。

 非常に難しい状況なのですが、まだやれる事は残っているかも知れません。ただ、ばら撒き体質では何も変わらないのは確かでありますので、それ以外の道で前向きに検討してもらいたいところです。銀行の国債保有残高の急増は、ある意味国の責任でもあるのです。

最後にランキングのチェックを ⇒ 

無料メルマガでは限定記事を随時配信しています。

登録後すぐに送られてくる記事は「地獄の3丁目で見つけた答え」です。

よろしければ、登録してみてください。

読者数2万人以上のS氏の相場観の無料メルマガです。