FRBの苦悩

 あくまでも10名のFOMCの委員の一人であり、単に突出した意見である可能性もあるのですが、米セントルイス連銀総裁が日本経済新聞社の取材に対し、FRBの資産を向こう5年程度を掛けて正常化して行きたいと、出口戦略について語ったようです。

 元々FRBの金庫には米国債を中心とした金融資産が入っていたのですが、サブプライムの債券が組み込まれた複合債券(CDO)の価格が急落した事を発端としたサブプライムショックを和らげる為に、金庫に有った米国債を売り、代わりにどんな物件が含まれているかも分からないCDOを大量に引き受けたのです。これにより米のサブプライムショックは、一応の底を見ることとなったのですが、FRBの金庫は恐ろしい事になっているはずなのです。 → ranking

 そもそも、不動産価格が下落し、値段がつかない状態であるものを強引に買い取って金庫に入れたのです。景気が回復し、不動産価格が上昇して行くのであれば、金庫のCDOも売れる可能性がありますが、オバマ大統領は金融規制の方向でありますし、不動産価格が上昇して行くような構図は見えてきません。

 現在、ほぼゼロ金利の米ですから、放っておけばバブルが再発するという懸念があるという認識もあるようですが、バブル崩壊を目の当たりにした直後に消費者が再度バブルに走る訳がないのです。これはバブル崩壊後の日本を見れば明らかでありますが、米で起こったバブル崩壊で被った国民の借金がなくなった訳ではないのですし、政府の借金も大幅に増えた状態なのです。 → ranking

 確かに出来るだけ早くに金融は正常化したいでしょう。しかし、本心から言えばFRBの金庫の中身はあまり考えたくない状態の物ばかりのはずですし、現実にはかなり厳しい話なのではないかと思うのです。

 今、日米欧共に借金が増大して行っている訳ですが、これだけ酷い経済状態に陥っている日本の円がどうしてこれ程円高になってきたのか?それは、相対的に他の通貨の信用力が落ちているからに過ぎないのです。誰が何と言おうとも、相場は嘘を付かないと考えて良いのではないでしょうか。 → ranking

 世界にここまでお金がばら撒かれる前は、各政府が協力すればある程度為替を操作する事も出来ていたのですが、いまや世界のデリバティブ資産の合計は6京円ともいわれておりますので、政府がどうとかいうレベルを遥かに超えてしまっているので、為替の動きというのは実に素直に世の中を見ていると考えております。

 ただ、溢れたマネーは時として売り仕掛けという猛威を振るって来ます。無茶に増やされたマネーの裏にあるのは、各国の国債であり、それは借金が元となっているのですから、それが行き過ぎれば売り手としては格好の材料という事に成るのです。 → ranking

 こうした理由もあって、FRBは出来るだけ早く金融を正常化したいと願っているのだと思いますが、ある意味値段のついて欲しくないCDOがFRBの金庫にある訳で、これに下手な値段が付くと大変な事になりかねないのです。せめて買い取った時の暫定的値段まで戻れば良いのですが、景気回復の腰を折りかねない金融規制もある訳で、とても解決策などないのではないか?これが正直な感想です。

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