乱発される公募増資

 大和證券、みずほ銀行、オリックス、ANA等が次々と公募増資を発表しておりますが、公募増資を発表した企業は利益の希薄化を嫌った売りを浴びてしまう為に、その株価は大きく値下がりする事態となっております。株を持たずに公募に応募するならば未だ良いのですが、市場はすっかり公募がブームの様な形となっており、投資家としてはいつ手持ちの銘柄が公募を発表するのではないかと戦々恐々の状態になりつつあるのではないでしょうか。

 起債を行う企業は前向きだと評価しておりますが、最近発表されているほぼ全ての公募は設備投資などの前向きな資金調達ではなく、単に財務強化という形がほとんどでありますので、これは非常に憂慮すべき事態なのではないでしょうか。単に赤字を埋めるために使われたりする資金として、株式市場からお金が消えて行くのです。殆どの投資家の場合ですが、公募の払い込みに充てる資金は株を売却した資金であり、定期預金を解約してまでというケースは殆どありません。あまりに多くの公募増資は、確実に株式市場を冷え込ませていく事でしょう。

 また、発表直後はS安が当たり前の様な状態でもありますから、株を持っている投資家は非常に大きなリスクを背負わされております。経済が上昇局面であるならば、前向きな発表として材料視される事もありますが、調達資金は運転資金という感じのところが多いのですから、今のご時勢での増資発表は安くなって当然といえば当然です。この様な状態では想定レンジを下げざるを得ないといったところです。

 監督官庁は、公募増資を予定している企業は、増資を発表する可能性のある企業は、発表の半年位前までに今後半年以内に発表します位の届出を出させるなどの措置を取らせるなどの規制をする必要があるのではないでしょうか。株主総会が終ったとたんに、バタバタと増資を発表するなどというのは、最低最悪の所業でありましょう。企業にはせめて総会前に発表する位のモラルが求められるのではないでしょうか。

 今は未だそれ程大きな影響が出ておりませんが、このままでは必要以上に相場が崩れてしまう可能性が高くなりますし、何より投資家の信頼を得られないという事に成りかねないでしょう。お金が必要な企業に増資するなとは言えないとしても、局面に合わせた施策は必要なのでは無いでしょうか。こんな時こそ監督官庁はしっかりと働くべきではないでしょうか。

 今後の相場展開ですが、増資を発表した企業への払い込みが終る頃まではそれ程大きな混乱は起こらないでしょうし、起こさない事かとは思います。先発した大企業系の株価が安定していればこれから発表されてくる第二弾、第三弾の増資も上手く行くかも知れませんが、このまま増資が乱発すれば、株式市場全体が希薄化され、株式市場全体がこの値段を維持できなくなると見ます。それを見極められるかどうかが、今後の大きなポイントなのではないでしょうか。

 残念な事ではあるのですが、今後も失業率は悪化して行くと思われますし、景気も益々悪くなって行く可能性が高いのです。目先は政府による資金供給で景気を支えておりますが、来年もそれを続けられる保障は殆どありません・・・。当分暴落は無いとしても、上昇できる材料も見当たらないというのが現状ではないでしょうか。選挙までは相場は高いという意見が多いようですが、そういう視点で相場を見ていると、非常に辛い思いをするかもしれません。

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